あの日、言いたかったこと。
……沈黙が流れる、この空間。
桜井……悠斗はまっすぐ俺を見た。
その視線に耐えられず、俺は目をそらした。
「……そうかよ。
……分かった、もうお前には話しかけない」
だがな……と悠斗が続ける。
俺が悠斗の目を見ると、悠斗は鋭い目で俺を見た。
「俺はお前と違っていつまでもあのことを引きずったりはしない。
……一緒にするな」
……悠斗は冷たくそう言い放つと、くるりと俺に背を向けてグラウンドの方へと歩いていった。
……引きずってる?
……そうだよ、引きずってるよ。
忘れることなんて……できるわけねぇだろ。
寧ろ、アイツのことなんか気にせずにのうのうとサッカーをやってるお前の方がどうかしてるっつーの。
俺はもう……サッカーなんてできねぇよ。
きっと……一生。