あの日、言いたかったこと。

周りがざわめく。

杏が必死に悠斗を止めようとする。

悠斗は……

悠斗の目はまっすぐ俺を捉えていて……でも、その瞳はすごく苦しそうで……。

見ているこっちまで心が苦しくなってきた。


「お前にはっ……分かんねぇよ……。
俺が……俺が、どんな気持ちでサッカー始めたかなんて!!」


俺の胸倉を掴みながら悠斗が叫ぶ。


「俺は……アイツを傷つけた……。
アイツを……光輝をっ……傷つけたんだ!!」


……教室中が静まり返る。

悠斗は苦しそうに顔を歪めた……。


「悠……斗?」

「っ………。
……日向は知らないだろうけど……俺、話したんだ。
あの練習試合の後……光輝と」

「っ………!!」


光輝と……?

いつ……。

何を……話したんだよ……。

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