あの日、言いたかったこと。

「……最後に謝ったのはアイツだったんだ。
……本当に謝るべきだったのは俺だったのに。
アイツに謝らせて……逃げて……それが最後になったんだよ。
あれが……俺と光輝の最後の会話だったんだよ!!」


……悠斗は力が抜けたように膝から崩れ落ちた。


最後の会話……。

俺はもういつだったか覚えていないけど……。

……悠斗ははっきり覚えていた。

忘れられなくて……苦しんでいた。


「っこんな俺に……部長なんかやる資格ないし……光輝にも申し訳ないし……」


……悠斗は苦しんでいる。

でも……


「……俺だ……」

「え……?」

「全ての発端は……俺だ……」


悠斗が顔を上げて俺の方を見た。


……俺は痛いほど自分の唇を噛み締めた。
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