あの日、言いたかったこと。
騒ぎを聞きつけた先生達によって、俺達は一旦教室から出された。
周りにはいつの間にか大勢の生徒がいた。
あぁ……きっと、噂にでもされるんだろう。
まぁ、でも……三人でこれだけ泣き叫んでたら噂にもなるよな。
「……日向」
「……ん?」
「お前の言う通り……俺、逃げてたよ」
悠斗……。
「お前に逃げるなとか偉そうなこと言っておきながら……自分は逃げてたんだ」
「………………」
「……俺達、変われんのかな」
……悠斗が小さな声で呟いた。
「……変われるよ」
そんな悠斗の問いに答えたのは、杏だった。
「変わらなきゃ……ダメだよ。
今のままじゃ、もっと後悔することになるから」
もっと後悔……。
そんなの……無理だ。
「大丈夫だよ。
だって……一人じゃないでしょ?」
杏が優しく微笑む。
……今まで、俺達はそれぞれで何とか苦しみに耐えようとしていた。
だけど、いつまでも一人で縮こまってるわけにはいかないんだ。
「……そうだな」
俺は目元が真っ赤に腫れている二人の顔を見て、小さく笑った。