ソットボーチェ~あなたの声で~
「んー?」
わたしが聖斗を見ると。
「また…、飲みに来いよ」
それだけ言うとプイッと顔を逸らした。
そんな聖斗を見て。
「仕方ないなぁ。また飲みに来てあげるよ」
そう笑った。
そして今度こそ帰ろうと思った時。
「ねぇ」
「え?わ、たしですか…?」
声を掛けてきたのは黒髪の男の人だった。
「うん、そうそう。ここに来たらまた会えるかな?」
「あ…。た、多分…」
「そっか。じゃぁ、またね?」
「は、はいっ」
わたしは顔が赤くなるのを感じながらも必死で答え、今度こそ家に帰った。