ソットボーチェ~あなたの声で~
「いやー、ごめんごめん。おじさんは仕方なくても俺、禿げ散らかしてはいないよね?」
「えぇ、大丈夫かと、思います、けど…」

俺は彰に真剣な顔で聞くと、彰は明らかに笑いを堪えていた。

「彰、俺真剣なんだけど?」
「あ、ごめんなさい。だって、禿げ散らかすって!!」

今度は我慢できなかったらしく、盛大に笑った。

「はぁ…。もういいや。萌花ちゃんは顔を見たくないんだよね?禿げ散らかしてたら嫌だから。だったらこのまま内緒にしとこうか」

禿げちらかしてはいないけど、おじさんだしね。

せっかく顔を見ないようにしてるんだ。

隠せるだけ隠してみよう。
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