ソットボーチェ～あなたの声で～

「もう。凌さんと光輝くんのこと想うのもイイけど、ちゃんとリアルでも好きな人見つけないと。萌花ちゃん、30でしょー？」
「うっ…」

そうなんだよねぇ…。

もう、わたし30なんだよね…。

周りの友達は結婚どころか、子供産んでる友達がチラホラ…。

「って、わたしも人のこと言えないんだけどさ！」

そう言って、華さんは笑った。

「あのね、華さん……」
「んー？」
「昨日、聖斗の店で凌さんの声に似てる人に会ったんです…」

まだ耳に残ってる、あの声…。

聖斗のとこに行けば、また会えるかもしれない彼。

「萌花ちゃん。もしかしたら、それが恋になることだってあるんだよ？最初は声からでも、ちょっと頑張ってみたら？まずは、アドレスGetだね！」
「うーん……」

そうは言っても、2度目ましての人にアドレスなんて聞けない…。

でも、凌さんらしき人が気になる…。

「考えるより、行動。ねっ？」
「はい…」

今日も聖斗のとこ、行ってみようかな…。