ソットボーチェ~あなたの声で~
「いるもん!!王子様のような声の人!!」
わたしは後ろの席に座っている、西田くんを睨み付けた。
すると、横から。
「王子様の声って、どんな声なの?」
そう聞かれた。
「………っ!!」
わたしは瞬間、その声に驚き目を大きく開け、口元を両手で押さえた。
「あ、ごめんね。話に入っちゃマズかったかな?」
その声に、ブンブンと顔を横に振った。
さっきまで、ギャーギャー聖斗と騒いでいたせいか、ちゃんと声を聞いていなかった。