双子の物語



「嬉しすぎて……つい」





と言って、微笑する。





「その、嫌とかじゃなくてビックリしたって言うか……」





「そ、そっか……」





何か、気まずいんだけど……。





なにか話さなきゃ……何か。





「じゃあさ、今日はもう遅いし、家に送ってくよ。……これ以上一緒にいると何しちゃうかわかんねぇーし」





ん?





最後はボソッていって聞こえなかったけど、送ってくれるの?





「そんなの悪いよ……」





ほんとはもっと一緒にいたいなっておもってるけど、迷惑はかけたくないし。





「いいの。俺がしたいだけだし?」





と、言って口の端を少しクイッと上げて、笑った。




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