双子の物語
「何かさっきの佐奈かっこよかったね!」
教室にはいるまで無言だった華菜が、突然元気な声でそう言った。
「……そうかな?本当の子と言っただけだけど」
それのどこがかっこいいの?
「んもー。そこがいいんじゃん。思ってても、そんなこと普通言えないっ」!
「ん~。まぁ、それは自分の事でもあるけどね。だって、私だって見た目あれなのに、久保くんみたいなこと言われるのって嫌だし。
自分が言われて嫌なことは、言ったりしちゃダメだもん」
「……佐奈。それはとっても正しいけど、佐奈はすっごくかわいいのに!」
「そんなわけないじゃん!……華菜が羨ましいっ」
と、私は返した。