双子の物語
「じゃ、足でも冷やしとく?」
佐奈にそういわれ、うなずく。
専用の袋に、氷を入れて、俺の足を冷やそうとする。
その時、足に触れる佐奈の手が、俺を緊張させる。
どうしようか……。
押さえられるかな……これから。
止められなかったら、どうなるんだろう。
「はいっ。できた」
「さんきゅ。……」
照れ臭かったけど、笑いかけながら、お礼をいった。
俺は、佐奈のことをどんな風に見ていたのか、自分でもわかる。
すごく、いとおしい……。