双子の物語
佐奈に、キスをしてしまった。
俺は、すぐにその事に気づいて、佐奈の上からどいた。
ヤバイ……ヤバイヤバイヤバイ。
どうしよう。
やってしまった。
ついにやってしまった。
上目使いで、名前を呼ばれたとき、俺の中で、何かがプチっと切れたんだ。
その途端、俺は、佐奈に、キスしてた。
「へ……っ?……だ、大輝っ?」
佐奈は、困惑しているようだ。
「佐奈。……ごめんっ」
俺は、とっさに謝った。
どうしよう。
「い、今のって……キス?」
……。
自分の唇にさわって、そう呟いた。