双子の物語
「さ、……佐奈?」
佐奈は、困惑しているみたいで、顔を赤く染めていった。
そして、そのまま保健室を走って出ていった。
……はぁ。
態度だけで示していこうと思ってたのに……。
まさかこんなことになるなんてな……。
俺も立ち上がって、椅子に座り直した。
……内心、悪いことしたって思っていても、佐奈とキスできたことに、喜んでいる自分もいた。
でも、このまま気まずくなっていくんじゃ?
はぁ。
俺は、もう一度、ため息をついた。