双子の物語
だけど、
「まって。……あの事だけど 」
あの事……って、キスのことだよね?
「な、なに?」
少し後ろを振り返って聞いた。
「ちょっと…こっち来て」
それにしたがって、大機の部屋に、少しだけはいる。
そして、戸を閉めた。
「その、ほんと、ごめん。……自分でも、止めらんなくて。」
……え、止めらんない?
「でも佐奈。……キスは、軽い気持ちでやったんじゃなくて……、ちゃんと、意味あってだから」
……意味?
訳分かんない……。
「今から言うことは、そんなに気にしなくいいから。……自分のなかで、けじめつけるために言うから。
だから、軽く聞いといてくれ。……出来れば……やっぱりいい」
今から言うこと?
なに言われるの?
何にも検討がつかなくて、ただ私はずっと大輝の話を聞くだけ。
そして、大輝は話し出した。