双子の物語
「……ほ、ほんと」
少し照れたように言う佐奈は、とても嘘をついているようには見えなかった。
というより、そんなことを冗談では、佐奈は言えないだろうな。
そんなことを考えてた頭をもとに戻す。
「えと、じゃあ、俺のこと好きなの?」
直球で聞いてしまったけど、俺のなかは、凄く胸がばくばくしていた。
だって、長年夢見てきたことが、叶っちゃうかもしれないから。
それは、佐奈が俺のことを好きになってくれること。
少しの淡い期待と、不安が俺をドキドキさせる。