双子の物語
「……そ、そう?」
何か変な答え方だけど、もう、恥ずかしすぎて限界だよ……。
「……あ、佐奈、熱は?」
「?」
大輝は、突然思い付いたように、聞いてきた。
「えと、37.3……」
「まだ熱あるけど、下がってきててよかった」
と、少し笑顔になっていった。
ドキッ──
ホントにその笑顔だけは、反則だよ……。
かっこいいから……。
「おっ、……お腹すいた」
何か、話題はないかと思い、思い付いたのが、朝ごはん……。
いやでも、本当にお腹すいてたからいいんだけどね。
「ん?わかった。なにか作ってくるよ」
そう言って、大輝は、私の部屋からそーっと出ていった。
ふぅ、……肩が軽くなったような気がする……のは、緊張がほぐれたからだろうか。