双子の物語
「その事、大輝は知ってるの?」
「知らないわよ。佐奈……、
佐奈は、大輝とは、ほんとの兄弟じゃない。だけど、あなたたちは、立派な兄弟よ」
何よ……。
私は何も”言わず”、……なにも”言えず”自分の部屋へ駆け込んだ。
とその時、
ガチャッ。
誰かがね部屋の戸を開けた。
私は、ベットに伏せていた顔を、ゆっくり上げて、扉の方を見た。
そこには、大輝が立っていた。
「どうしたんだ?」
私が、階段を急に急いで上がったことを、不信に、思ったんだろう。