双子の物語
「俺は、母さんたちが、話しているのを聞いたことあるからな。」
そう言った。
「私もだけど…さっき。……私ってこの家の人じゃないんだ……私家族いないじゃん……」
そう思うと、すごく悲しい。
「そんなこと……」
大輝は、なにか言おうとしてるけど、
何て言ったらいいか、戸惑ってるようだ。
私は、ショックなことを知られたくなくて、
無理矢理明るくした。
「そう言えばね、私、誕生日11月21日じゃなくて、10月10日なんだって。大輝より誕生日早いよー。私のほうがお姉ちゃんだね!」
これは、さっき聞いたこと。