双子の物語
私は、よろこんで写真をもらった。
あの後、ちゃんとお弁当を食べた……と言うよりも、食べさせられた。
午後の授業も終わり、帰りの時間。
「華菜。ばいばいっ」
「えっ?……ちょっ」
それだけいって、直ぐに教室を出た。
いつもなら、私が華菜を待たせてるんだけどね。
こう見えても、私の頭の中は、もうパンパン。
考えすぎて知恵熱出ちゃったらどうしよう。
はぁ……。
私のお母さん、どんな人だったんだろう?
優しい人がいいな……。
お父さんは?
……何で……死んじゃったの?
私、ひとりぼっちじゃん。
そう思いながら、街の中をひたすら歩く。