双子の物語
私は、そのまま、意識をなくした。
冷たい風に当たりながら眠った。
気持ちいい………。
────……
「……っい起きろ。佐奈……」
何か声がする……。
誰?
「……こんなとこで寝てたら風邪引くぞ?」
この声は……大輝?
でもまだ眠っていたい……。
こんなにも気持ちよく寝れたのは、初めてかもしれない。
まだ起きたくない。
そう思っても、
「佐奈!……起きろって」
はっきり名前を呼ばれて、目を開けてしまった。
せっかく気持ちよく寝れてたのに……。
なんて思いながら、顔を上に向ける。