双子の物語



「佐奈……本当にごめんなさい。」





そうお母さんが言って、頭を下げる。





そんな悲しい過去があったなんて……。





お母さんたちは、親友だったらしい。





同じ時期に結婚して、子供は、私の親の方が少しだけ早かったってこととか……。





そうだよね……。





誕生日を知ればそれが分かる。





「ねぇ、お母さん」




そう言うと、顔を少しずつ上げた。






「もういいよ、お母さん。お母さんだって辛かったんだし……それに、私は今のお母さんのこと好きだよ」





そう言ったとき、お母さんは、涙を流して……





「ありがとっ……ごめんね……佐奈っ」





そう言って、少し微笑んだ。










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