双子の物語



「佐奈……スッキリしたか?」





そう聞かれた。





「うん!……だって、ほんとの親じゃなくても今のお母さん私好きだしね」





と、言った。





今のって言っても、本当の親のこと全く知らないんだけどね。




私がそう言うと、またさっきみたいに優しく微笑んだ。





そしてそっと大輝の方をみて、






「大輝はどうやってってこの話知ったの?」







と、尋ねた。





「佐奈みたいに、親たちが話してるのを聞いた。まぁ、その時は佐奈の親のお墓に行くって話をしてたのを聞いたんだけどな」





と、大輝は言った。





「あ、思い出したわ。そうなの……。お墓参りに行くかどうか迷っててね。大輝や佐奈がいるし、家においていくわけにはいかなかったでしょ?」





まぁ、そうだね。




< 84 / 309 >

この作品をシェア

pagetop