双子の物語
そう言った。
これ、お母さんたちなんだ。
どっちだろ?
「右が私で左が香織よ」
私が思っていることを、タイミングよく言ってくれた。
「母さんたちって、小さい頃からの友達だったんだな……」
横から、ボソッと声が聞こえる。
「あれ?大輝知らなかったの?」
私は、てっきり大輝は知ってると思ってたけど……。
知らなかったんだね。
「へぇ~」
そう言いながら、次へと ページをめくっていく。
「あっ。忘れてたわ。夕御飯作らないと!」
お母さんは、そう言って、慌ててキッチンにいった。