社内恋愛のススメ
「あれ、そういえば、仕事は?」
長友くんは、企画部に残って仕事をしていたはずだ。
先に帰ったはずの私に、長友くんが追い付くなんて。
不思議に思ってそう聞けば、長友くんが答える。
「ちょうど、終わったとこ。終わって帰ろうとしたら、お前達を見つけたんだよ。」
長友くんの口から語られるのは、長友くんの視点での先ほどの出来事。
長くかかった残業を終え、帰ろうとしていた長友くん。
ようやく帰れると思ったら、あんな場面に出くわしてしまったらしい。
頑張っていた長友くんを隣で見ていたからこそ、申し訳ないと感じてしまう。
「お詫びに、飲みにでも行く?変なとこ、見せちゃったし。」
そう誘えば、長友くんは満面の笑み。
「おごり?」
「うーん………、しょうがないなぁ。」
夜空の下に咲く、笑顔。
大きな向日葵みたいな、長友くんの笑顔。
「おっ、有沢、気前いいじゃん!」
「たまには長友くんと、飲みに行くのも楽しいかなと思って。」
「今日は金曜日だしな!よーし、今日は朝まで飲むぞ!!」
「あのさ、お金出すの、私なんだけど………。」