社内恋愛のススメ
長友くんのことが好きなのに、別の男に無理矢理抱かれている。
こんなにも長友くんを想っているのに、長友くんではない男に犯される。
所々破れたワンピースは、私の心みたいだ。
ボロ雑巾みたいに汚れていく、私の全て。
「い、いや………っ、いやあぁぁ、長友………くん、長友くん………っ!」
私の心が叫んでる。
長友くんがいいって。
抱かれるのも、キスをするのも。
撫でられるのも、触れられのも。
全部、長友くんがいい。
長友くんじゃなきゃ、ダメだ。
分かってるのに。
そんなこと、分かりきっているのに。
それが出来ないのが悔しい。
それが叶わないことが悲しい。
「実和の体に、僕を刻み込んであげるよ。もうあんなヤツのこと、考えられなくなる様に………ね。」
狂ってる。
こんなの、狂ってるとしか言い様がない。
上条さんが薄く笑って、乱暴に私の唇を奪う。
「うっ、んん………っ。」
気持ち良くなるはずがない。
このキスに、意味はない。
少なくとも、私には。
気持ちなんて込められていない、ただの皮膚接触だ。
一方的に押し付けられたキスに、快感なんて感じない。
「ん、い、いや………っ、止め………!」
苦しい。
苦しい。
息が出来ない。
息継ぎが出来ないほどの激しいキスに、意識が朦朧とする。
脳まで、酸素が行き渡らない。
薄れていく意識を呼び戻すのは、上条さんの執拗な口付け。