彼女のすべてを知らないけれど
彼女のすべてを知らないけれど、俺は彼女に恋をした。
これから、もっともっと彼女を好きになっていけたらいいなと思う。
「大好きだよ」
「……私も……」
『元猫の人間』ではなく『生まれながらの人間』として生きることになった彼女は、まだ戸惑っているみたい。そんなところも可愛いと思う。
ミコトはきっと、魔法使いの女の子と両想いだったと思うよ。――今、ミコトにそう伝えたくなった。次にミコトと会えるのはいつになるんだろう。
ウィンクルム改めウィーン=クルム。
命を司る神ミコト。
大学の友達、然。里桜とタク。
出会ってくれたすべての人に、
恋が何なのかを教えてくれた人たちに、
ありがとう。
【完】