クレイジーサドくん。
「俺がいつそんな事言った?」
ニコっと笑う彼の口に見え隠れする八重歯。
笑うと見えるえくぼも薄いミルクティー色の髪の毛も
今は怖くて、怖くて。
『ぇ・・・・・・』
「俺がいつパウリちゃんを後輩として好きなんて言った?」
ドキリ、そう微かに心臓が鳴った気がした。
記憶を辿っても一度も『後輩』として好きなんて言われてない。
自分が勝手にそう解釈しただけで何も言われてなかった。
『いって、なぃ…』
震える声を絞り出しそう答えを出した。
「ね!」
この時わかった。
満足そうに笑う彼は、大学一人気者の彼は私をずっと見ていてくれてたと、そうわかってしまった。
「ねー、パウリちゃん…」
ソッと伸びて来た彼の腕にそのまま両腕を捕まれてしまい細く力が無いように見えた腕からは『男』だと確信出来る程の力が発揮され、
無防備に伸びていた腕をあっさりひねりあげられてしまいとてつもなく卑猥な格好になってしまった。