【完】恋した相手は元カノの妹~キミに溺愛中~
あたしは誰も居ない静かな場所へと向かった


といっても人が多いからお手洗いと非常階段の隙間なんだけど…


此処なら誰にも見えないし安心する


さっきから携帯が鳴り続けてるんだけど、出る気もない


マナーモードにしてるから振動があるだけ。


こんな身体のあたしが奏哉の傍に居たら迷惑掛けるだけだ


奏哉にあんな悲しい顔なんてさせたくないよ…。


「花歩!!」


……えっ?


名前を呼ばれて振り返るとそこには息を切らした奏哉の姿


「やっと見つけた…」


奏哉は安心した表情を浮かべ、あたしを前から包み込んだ


「お願いだから急に姿を消すな。心配するから」


「奏哉…。お前もいきなり走るなよ」


「ごめん。」


「話があるし花歩ちゃん借りるね。奏哉は麻依が呼んでる」


奏哉はあたしの頭を撫でてから去って行った
< 295 / 830 >

この作品をシェア

pagetop