【完】恋した相手は元カノの妹～キミに溺愛中～

その時の花歩の心情はどうだったのだろう


考えただけで可哀想だ


「あたし達だけ置いてきぼり。」


花歩のことだからきっと泣いてたんだろう


「それで、離婚が決まって親権をどうするかって話しになってお母さんは即答で“知歩は引き取る”って言った」


「花歩はそれを聞いてたのか？」


「嫌でも聞こえたの。２人の会話が…」


「知歩にバレないように泣いたんだろ？」


俺の言葉にびっくりしながらも小さく頷いた


「クリスマスの日に“今日、この家出て行くから”って言われたの。あたし達の誕生日なんてそっちのけで知歩を連れて出て行った」


利一さんは仕事で花歩はひとりぼっちだったんだな。


「寂しかった…。誰も居ない家の静けさが怖かった」


花歩は誰にも言えずに１人震えてたはず