ピンキーリング【短編】
「あっ!」
拓ちゃんの声にビックリして、拓ちゃんを見る。
「なな、小指には入るんじゃね?」
そう言って、拓ちゃんが指輪をあたしの小指に入れた。
ぴったりだった。
「なな、小指につけろ!」
「はぁ……」
拓ちゃんのいきなりの提案にビックリする。
「最近よくいうじゃん!
えっと………」
「…ピンキーリング?」
拓ちゃんの言葉をあたしが続けた。
「そう!それ!!
確か、願いをこめるんだったような…」
「そうなの!?」
思わず聞き返す。
ピンキーリングか……
…ーあたしの願い
それは、ただ一つ。
「じゃあ、拓ちゃん、あたし小指につけるね。
ずっと拓ちゃんのそばにいれますようにって願いを込めて。」
指輪をつけた右手を、左手でぎゅっとつつみこむ。
「あぁ、そうしてくれ。」
拓ちゃんがそう言って、あたしを抱きしめた。
その後は、2人で初めてつながった。
拓ちゃんが、あたしの名前を呼ぶ声が心地よかった。
ずっとこのままでいたかった。
幸せだった。