ピンキーリング【短編】
「香月さん、寝てたでしょ?」
休み時間に、吉田が話しかけてきた。
「うん。気づいてた?」
そう聞くと、またはにかんだような笑顔を浮かべる。
そう言えば、この席になってー…
いや、このクラスになって吉田と話したのは初めてだった。
「香月さん、授業中、寝過ぎだと思うよ。」
「…ーだって、眠いんだもん………。」
あたしの返答に、また吉田は笑う。
このときをきっかけに、あたしたちはよく話すようになったんだよね。
話してみると、はにかんでるとき以外は意外にかっこよくて、そのギャップに、あたしはいつのまにかに惹かれてたんだと思う。