ピンキーリング【短編】
今日は、あたしと吉田と、あたしの友達と吉田の友達の4人で遊ぶ予定だった。





しかし、集合時間になっても、あたしと吉田以外の2人がこない。





「どーしてこないわけ?!」




何回電話しても出ないし、送ったメールに返信もこない。





「まさかー…事故?!」





あたしがそういうと、隣に立つ吉田がいった。





「それはないでしょー。

まぁあいつらなら死なないって!」






そう言い終わらないうちに、吉田の携帯がなった。



とっさに吉田の携帯をうばいとる。



吉田の声を無視して、メールを開いた。





『オレたち今日から付き合いだしました☆

だから、今日は2人でデートします。

そちらも、2人で楽しんできて下さい♪』






そのメールをみて、吉田が冷静に言う。





「おっ、あいつ告ったんだ。」




…ーは?




「いやぁ、あいつな、田中(今日遊ぶはずだったあたしの友達)のことずっと好きだったんだ。

実は、今日もその2人をくっつけるためだったんだって。」




吉田は、そう言いながらあたしから携帯を奪い返し、メールの返信を打ち出した。





「で、どーする?」




携帯に目を落としながら吉田が言った。



「……? なにが?」




思わず聞き返してしまう。




「なにがって……

今日あいつらこないから、オレたち2人じゃん。

それでも、行く?」




吉田の問に一瞬考えた。




でも、わざわざ電車でここまで来たんだし…




「行くしかないじゃん。」




あたしがそう言うと、吉田はにっと笑った



「じゃあ行きますか!」


吉田がそう言って歩きだした。


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