SKY~空~

『…ウッ…グスッ』

私はペタンと床に
座り込んだ

涙が止めどなく
溢れてきた

「…理沙」

龍くんが呼んだ
私の名前すら,今の私には
届いていなかった

あれから,どうやって
家に帰ったのかは
覚えていない

一つだけ覚えているのは
私は,
“雷斗に振られたんだ。”

雷斗の笑顔が
頭から離れないょ…

私は雷斗が好きなのに…


恋をするのは,初めてで
恋の終わりがこんなにも
苦しいものなんて知らなかった…


私に恋の仕方を教えてくれた雷斗…
今度は恋の忘れ方を教えて下さい。

それから,一週間
新学期に入っても
学校に行く気がしなくて
ずっと部屋に閉じこもっていた

一週間,何も食べてない…
食欲なんて湧かないょ

だけど…
涙が止まる事はなかった

一週間,ずっと泣いていたから
目の周りは赤く腫れていて
見るからに痛々しい…

雷斗…
もぅ,新しい彼女出来た…?
ミカさんとより戻したの…?

携帯を開いても
雷斗からの着信・メールは
なかった…

やっぱり,私たちは
別れたんだね…

雷斗…
もぅ私の事なんて嫌いになった…?

私はまだ忘れきれないょ…

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