SKY~空~

「お揃いだなっ」

そう言って、ルウは
笑ってくれた

ルウと過ごした
一日はとっても楽しかった

私の中の何かが
少しづつ変わり始めていた

そして,放課後

「理沙ー!今日,どうすんのぉ?」

奈那美だ…

『ごめん!今日,ルウと約束してるから』

「ふふふ…そっかそっかぁ…お幸せにぃ」

『そんなんじゃないってば!』

奈那美は不気味に笑いながら
教室を出て行った

「なら、行くか」

『うんっ』

私とルウも
校舎を出た

「理沙ってさぁ…彼氏いないの?」

歩きながら,ルウが聞いて来た

一瞬胸がドクンッと鳴った

『いない…ょ…別れたばっかだし』

「雷斗っていう人…?」

ドクンドクンッ

心臓の動きが速くなった

『なんで…知ってるの?』

「悪りぃ…携帯扱った時に電話帳に入ってて…」

『そっか…私,振られたんだよ…私が悪い…からっ』

「まだ、好きなの?」

『好き…じゃなぃょ』

「嘘つくなよ」

『嘘じゃない!』

思わず怒鳴ってしまった…

『ごめん…』

しばらく,歩くと、

ガシャンッ!

「キャー!」

「もう一回言ってみろ…殺すぞ」

目の前には…

私の愛しい人がいた

体が固まって動けない…


雷斗…
少し痩せた…?

あんなに綺麗だった
空色の髪の毛は
シルバー色になっていた

雷斗…
どうしちゃったの…?

なんで…
女の人にまで
手出すの…?

私の目の前にいる
雷斗は、長い髪の女の人を
殴っている光景だった…

「喧嘩かなぁ?理沙?…怖い?」

『…雷斗』

私は無意識に雷斗の
名前を呼んでいた

「…雷斗って…理沙の…」

雷斗の周りには
SKYの人がたくさんいた

あんなに笑顔で包まれていた
SKYのメンバーには
笑顔すら浮かんでいなかった…

みんな…

雷斗が変わっていくと同時に
SKYの人たちも変わっていくの…?

私…

やっぱり,雷斗が好きだ…

私はゆっくりと…
雷斗に近づいた

「理沙⁉」

ルウの驚いた声を
無視して…

私は真っ直ぐ,雷斗に向かって
歩きだした
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