SKY~空~

あれ…
だんだん,見覚えのある
場所に近付いてきた

そぅ…あの時,雷斗と一緒に
花火を見た、雷斗の特等席だ…

「最近見つけたんだょ!こっから見る星はすっげぇ綺麗だから!」

何も知らないルウは
無邪気に笑う,子供みたいな表情を
している…

知ってるょ…

全部全部…雷斗に
教えてもらったんだから…

雷斗との思い出の場所までもが
消えようとしている…

「理沙…」

「理沙がまだ…元彼を引きずっているのは知ってる…でも,もうこれ以上理沙が苦しむ姿はみたくねぇし,一人で泣く姿も見たくねぇ…理沙…俺は,理沙に出会った時から好きなんだ…」

聞きたくない…

「俺と…付き合ってほしい」

嬉しいはずなのに…
どーして?

私はルウが好きなんでしょ…?

好き…なの?


じゃぁ…どうして
雷斗の顔が頭から離れないの…?

ねぇ…
どーすればいいの…?

その時,
♪~♪~♪~♪~♪

電話だ…

着信 雷斗

え…?嘘でしょ…?

なんで…雷斗が?

別れた後から今まで
アドレスや番号…写真が
消せなかったのは…



私がまだ,雷斗が好きだったからだ…


私は震える手を抑えながら
電話にでた。

ーもしもし…ー

ー理沙ちゃん⁉ー

え?雷斗の声じゃない…
紛れもなく,奏くんの声だった

ーどうしたの…?ー

ー雷さんがバイクで事故った…今すぐ病院に来てほしい…ー

ブチッ

え…
一方的に切れた電話…

雷斗が事故った…?

嘘だよね…

嫌だ…
考えたくないょ…
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