等身大の愛唄
「何で?って…。ココアが飲みたくなったから?」



龍哉の手には、ココアが握られている。



「なっ!!!男がココアなんて、邪道だっ!!!」

「邪道って。別にそんな事ねぇと思うぜ?それに、"飲んじゃいけません!"なんつー法律はねぇし。」



…そ、それはそうだけどっ

で、でも



「あたしが買えなくなっちゃうじゃん!!!」

「買えばいいじゃん?」



ココアを飲みながら、呑気に言う龍哉。

あんたが飲んでるから、飲みたくないんだけど。



あたしは龍哉に対抗するように、コーヒーを買ってしまった。


の、飲めないしっ



「へぇ~。コーヒーなんて格好いい~♪」



冷やかしてくるあいつの横を睨みながらあたしは素通りした。



そして、屋上で。



「コーヒーなんか、飲めるか―――っ!!!!」



叫んでみる。

ちょっと、コーヒーを飲んでみる。

やっぱり、口の中には苦い味が。


そして、後悔が残っただけだった…。





授業も何もかも終わった帰り道。



「やぁ――――っ!!!美味しい~♪」



アイスを食べている千秋。と、あたし。



「ホンット!!!美味しいね!!!」



あたしは朝も昼も食べていないから、いつも以上にアイスが美味しく感じたのだ。

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