鳥籠





   私は、由樹が怖くて怖くて
   痛くて痛くて,逃げ出したかった。

   だから私は由樹がいないときを
   狙って逃げた。


   由樹から遠ざかりたいの
   一心で必死に走った。

   走りすぎて歩くのも辛いと思った時
   目の前に海が見えた。


   その瞬間私は死を決意した。


   ゆっくり、でも確実に深く暗い
   海に足を進めて行った。

   これでもう、由樹を苦しめなくて
   いい。
   私も苦しい思いをしなくてすむ。

   由樹…。助けてあげられなくて
   ごめんね…。
< 9 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop