stand up!!
「ててて…」
「全くもう…。あんたって本当にばかね!」
更衣室の端にある冷蔵庫の中から湿布を出し、浩の肩に湿布を貼った。
その湿布が入っている箱には、“安城専用”と黒のマジックペンで書いてある。
女性の中で、日々怪我をする人は、浩の他誰もいない。
「はい、終わったよ」の凜子の声に肩を摩りながら、「ありがとう」と答えた。
「それにしても毎回毎回怪我してきて…。あんたこれでも女の子なんだからね!」
これでもって何だよ…と思いながら、凜子のプチ説教を聞く。
「んで?今日は何で打撲なんかしてきたの?」
凜子は呆れた顔で聞いてくる。
浩は数十分前のことを思い出す。
そうそれは今から約20分前のこと。
浩が小早川と組手をしている時だった。