stand up!!
「始め!!!!!!」
審判の合図でせめぎ合う二人。
「少佐!手加減なんかしないでくださいね!!それで勝ったってあたし、全然自慢できませんから!!」
「それは、勝ってからほざけ!!!!」
両者は互いの襟元を掴んだが、一向に進展はない。
小早川と浩の身長は、さほど変わらない。
しいて言うなら、浩の方が1㎝高く、168㎝である。
3分ほど経っただろうか。
小早川との組手の前に行った組手の疲れのせいか、浩の息が上がり始めた。
集中をめいいっぱい使っているせいもあるかもしれない。
こんな時に!!
いや、負けるかあたし!!!
そう自分に言いかけて、目の前の相手とぶつかる。
しかし、女性の体力は男性の体力と同等のものではなく…
小早川の襟元を握っていた手の握力が、抜けていくのを感じた。
くそっ!!
次の瞬間、浩は大きな衝撃とともに、天井を見上げていた。
小早川が綺麗に背負い投げを決めたのであった。