stand up!!





しばらく不審者の行動を見ていたのだが、浩の冷静さがだんだんなくなってきた。



不審者の行動を見ていると、浩の私服には興味がなかったようで、何もされていなければ、触れわれてもない。
しかし、その代わりに浩の訓練着や制服を手に取って眺めていたと思いきや、鞄の中に詰め始めたのだ。



持っていこうとしている不審者の行動に怒りと焦りが生まれてきたのだった。



怒りを抑えながら様子を見ていると、不審者が浩のロッカーの中に何かを見つけたようで、それを奥から取り出した。



浩はその物が触れられたことで怒りが爆発した。



「おい、てめぇー。そこで何やってんだよ!!!!」



突然のことで驚いた不審者が振り返り、浩と目があった。



「そこ、あたしのロッカーなんだけど!!」



不審者は手に持っていたものを鞄に詰め込んだ。
浩は慌てて不審者に飛び掛かったが、逃げられてしまった。



「こんなものがあるから安城さんはダメなんだ!!!!」



不審者は浩の名前を知っていたようだが、浩には覚えがない。
と、考えているうちに不審者はドアから走り去って行ってしまった。



「ま、待てよ!!!」



浩はその不審者を追いかけ、ドアから出て行った。






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