stand up!!
「池田のやろう…。何が言いたいんだ!」
1人ブツブツ言いながら更衣室を後にして、さっき池田が通って行っただろう道を歩いて行った。いつもならそこで足を止めることなく歩いていただろうが、今日は異なった。
「待ちやがれ!!」
遠くの方で聞きなれた声がする。窓から中庭を挟んでみえたそれに小早川驚きの声を上げた。
「安城!?」
安城は誰かを追って廊下を走っているようだが、その誰かは分からない。
基地の中で見たこともない人であった。一般人だと小早川は考えた。
さっき池田に言われたことを思い出す。
女子の更衣室に不審者らしき人がでたと…。
ま、まさか!あいつが追いかけているのがそうだとしたら!!
小早川は安城を追いかけるように、走り出す。
小早川は安城が心配で追いかけたこともあるが、それ以前に…
「何故あいつはあんな姿なんだ!!!!」
浩は着替え半分で寝てしまったため、上半身は下着、下半身は胴着というあられもない姿だった。
しかし、当の本人は気づかずに不審者の後を追っているのだが…。
「全くあいつは馬鹿か!!!」
小早川は廊下を走るより中庭を突っ切った方が早いと考え、窓を開け中庭に飛び降りた。
更衣室は一階にあるため、飛び降りても衝撃はない。
小早川は颯爽と飛び降り、浩の後を追った。