stand up!!


態勢を崩しても、目の前の男は逃がしはしない。
あたしは必死に手を伸ばし、その手に男の服を掴む。


男を捕まえることしか考えていなかったため、崩れた態勢をどう立て直すか考えていなかった。
気付いた時には、あたしは顔から地面に叩きつけられた。


「いたっ…。」

衝撃がもろに伝わった。
男も突然のことであったのだろうか、驚いるように見えた。


男の服を掴み離さぬようにもう片方の手を地面に付き、体を起こそうとしたが、肩に激痛が走り、声を漏らした。


先ほど、小早川に受けた痛みであると気付いた。
男を追うことに必死であり、痛みを忘れていた。


激痛に耐えられず、男から手を離し肩に手を添えた。


逃げ出すであろうかと思った男であったが、どうやら男も負傷したらしい。
右足に手を当てていることから、捻挫でもしたのかと思った。









「」
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