stand up!!


驚いた。声とともにの前にいた男は飛ばされていて、小早川少佐があたしの前にいる。
それより驚いたのは、小早川少佐がいつもと比べ物にならないほどの鬼の形相だったから。男と対峙する少佐は、正直言って怖かった。
鬼の形相で男に迫る少佐。しかし、男は完璧に伸びていた。


「小早川少佐のストレート決まったら、もう起きられませんよ…。」
あたしはここで少佐を止めなければ、大変なことになると思った。
けど、力ずくで止める力は残ってなくて、だけど止めたくて…。
今、あたしは作り笑いを浮かべている。
なんて無力な、これでトッケイの一員になれるのかな?


小早川少佐は自身の上着を脱ぎ、それをあたしに羽織らせた。


「え、どうしたんですか?」
「どうもこうもない!!!お前には確かに色気がないというような発言をした!!だが、そんな恰好でしかも不審者を追いかけるなんて、お前は馬鹿か!!!!!」


小早川少佐に言われ、自分の姿を見る。
え、上は下着に下は胴着…。


「うわぁぁぁぁ!!うっそー!!」
あたしは少佐の上着を掴み、露出を隠す。


「少佐、見ました?」


「何が見ました?だ!!そんな恰好で歩き回って、見てくださいと言ってるも同じだ!この馬鹿が!心配いらん、お前のそんな姿見ても何もさからん!!」


「何それ!最後の言葉ひどくない!?そりゃ、あたしが悪かったですよ!はい、すみませんでした。でも、最後の言葉は男としてサイッテー!!」


「本当のことを言っただけだ!!」


ヒートアップする会話。
ここに池田少佐がいたら、さぞ笑っているんだろうけど、もうどうにも止まらない。






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