stand up!!
「だいたいねー!あんたがあたしの肩を負傷させなければこんな手を煩わせることもなかったの。だから、すべて少佐のせい!!」
「貴様!!助けてやったのに礼の一つもないのか!!」
「はいはい、ありがとうございました。」
あたしは、まだまだ続く少佐の説教じみた言葉を流しながら、立ち上がろうとした。しかし、体が思うようにいかない。
肩は痛いし、走りつかれたし、転んだ拍子に顔を打ったのだろうか、体中が痛くなった。
本当にここでやっていけるのだろうか…。
女のあたしがやっていけるんだろうか…。
あの日の名前も知らないトッケイの隊員を探して、ここまで来た。
苦しい日々もあの―頑張りなさい―の言葉に突き動かされてここまで来た。
それだけじゃ、だめなのかな?
あたしはどうしたらいいんだろうか…。
ここにいてもいいのだろうか?
あの男の言う通り、あたしがいる世界はここではないのだろうか…。
なんかどうでもよくなってきた。
あー、今は体中が悲鳴を上げている。
あー、ふかふかの布団で眠りたい。
何も考えずに眠りたい。
ドサッ
「おい、安城!しっかりしろ!」
あたしは少佐の呼びかけに答える気力もなく、その場に倒れこんだ。