stand up!!



「これはあいつらのやりかたね…。」


浩が急患室に担ぎ込まれたとの一報が滝沢凛子に届いた。
血の気が引いていくのを感じた。
部長の罵声をかわし、凛子は急いで浩がいるという急患室へと急ぐ。


急患室の扉を激しい音を立てて開くと、ベッドには顔に傷を負った幼馴染が横たわっていた。
右肩は包帯できつく固められていた。


「ひ、浩。どうしてこんな…」


浩の顔を撫でる。
浩、これでも女の子なのよ。
ちょっとは気を付なさいよね…。


浩を襲った男の話を、小早川少佐から聞いた。
その話からして、こんなやり方をするのはあの人しかいないと直感が言っている。


右肩に触れると浩の顔が少し歪んだ。
こんなに痛い目にあったのかと、憎悪にも似たような感覚である。


「右肩はヒビが入っているようで、2か月の安静が必要だと医務室長が話していてよね、小早川?」


浩の部屋には浩を担ぎ込んで来た小早川少佐と、池田少佐が立っていた。





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