stand up！！

「女の人にそんな顔で話しかけちゃだめだよ。だから鬼とか噂されるんだよ」


迫りくる小早川を池田が止める。
小早川は邪魔をするなと池田の手を払っているが、池田は笑顔で小早川の腕を離さない。
池田少佐の方が実は怖い人なのではないかと思った。


小早川と池田のやり取りを横目に、ベッドに横たわる浩の左手を握る。
左手にも掠り傷が多数目立っていた。
小さい頃から喧嘩っ早い浩であったが、ベッドにいる姿を見るのはこれで2回目である。


浩、早く元気になりなさい。
あんた、会いたい人探している最中でしょう？
早くしないと、その人に逃げられちゃうわよ？


「滝沢！！」
池田の制止を振り払って、凛子に迫ってきた。
その勢いは、池田にも留められることはなく、また、凛子も話せない理由がある。


どうしよう？これ、全部あんたのせいよ。
あたし1人でこの場をどう乗り越えようか。
知らない人である。と答えた方がいいのか。


「滝沢！！！！」
「！！！！！」