stand up!!
「なんで、どうして?蓮龍会がどんな組織か知っているでしょ?いいの?」
小早川の制服を掴み、今にも表情が崩れてしまいそうな顔をしていた。
小早川はそっとであったが、力強く浩の手を握る。
「蓮龍会は知っている。どんなことをしているかも、知っている。」
「じゃあ、なんであたしを追い出さない?!あたしはここにいていい人なわけ…」
「しかし、お前がどんな奴であるか知っている。」
浩の頬に涙が伝う。
「お前がどんな理由でここに入職したのかは知らん。しかし、お前が前向きに訓練に励み、正義感が強く、負けず嫌いであり、曲がったことが嫌いであるのは知っている。ここにいたとして、お前が害になることはない。」
池田も小早川の意見に賛同するかのように頷く。
「それじゃあ、あたしはまだここにいてもいいの?」
いつもとの大声とは違い、か細く震える声しかでなかった。
「お前が俺たちにとって、必要な人材であるのは変わらん。周りがなんと言おうが、お前は俺たちの仲間だ!ちょっとガサツだが…」
よかった、よかった…
涙があふれる。
「おい、だから泣き辞め!!」
「まぁまぁ、今は泣かせておきなよ。」
「な、何?!これじゃあ、俺が泣かせたみたいじゃないか!」
「ははは、よかったね、浩。」
凛子の言葉に頷きだけで返す。
あたしはまだ、あの人を追いかけることができる。
顔も知らないあの人を…。
夢を…。