stand up!!


「喧嘩をしにここに来たわけじゃないのにな。」
「何か浩に御用ですか?」
「安城さんだけじゃなく、キミにもね。」
「ん?」


池田が大声で小早川の名を呼ぶ。
それが喧嘩の終わりのサイン。
浩だけじゃなく、私にも用があるという池田少佐。
戦闘職種でなく、業務職種である私に一体何の用だろうか。


「今回、トッケイは組織ではなく4人1組としたチームで構成していくことになりました。そこで、小早川を班長としたチームをこの4人で結成することになりました。」
「えっ、ちょっと待ってください。浩ならともかく、なんで私まで?業務職種の私にできることなんて…。」


私は昔から体を動かすことが嫌い。
浩みたいな俊敏さなんて持ち合わせてはいないのに…。


「滝沢さん、大丈夫。君には君が得意な分野を選任しているよ。多数の情報の中から真実を見つけ出し、ある時は僕たちを動かしてほしいんだ。君の賢さと知恵で。」


「それなら、凛子は大抜擢です!昔から頭の回転速いし、情報通だったから!ね、凛子?」


私でも役に立つことがある。
そう感じた。


「心配ない、何かあったら俺たちがお前を守ってやる。安城より数倍使える奴だと思っている。」
「むっかぁ~。でも、本当のことでなんも言えねー。今にみてろよ、あたしに頼らせるようにしてやる!!」
「それは、いつになることやら。100年後か?俺は生きていねーぞ!」
「うっせ!!」


また始まった。まったく浩は…。




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