stand up!!


浩に出会うまで、この世はすべてゲームの様であった。
勝ち負けしかない、ゲーム。
私はそのゲームの攻略者。
恋愛も生活も。
繰り返される毎日に飽き飽きしていた。


「滝沢凛子ー!今日から君はあたしの友達だ!よろしくな!」


突然聞こえた声。
繰り返されたゲームのような毎日が突然ぶち破られた気がした。
力強く引かれた手から伝わる、温かい体温。
いつぶりだろうか、人の手がこんなに温かいと感じたのは。
いつぶりだろうか、生きていると実感したのは。


そこから飽きることのない私の人生という名の物語が始まった気がした。
一筋縄では攻略できない浩。
こんなに飽きることない、わくわくした感情は!


「凛子?何を考えてるんだ?」
「ううん。何にも!これからも楽しくなるなって!」
「え、なにそれ?」


飽きることのない日常がまた増えた。そんな気がした。
このチームで犯罪を攻略してやる!


「私は戦闘向きではありませんが、私にできる犯罪攻略していきます!」
「よろしくね」


今日、ここに小早川班が誕生した。
のちに、起こる事件をきっかけにその名を轟かせることになるのだが、まだ、この4人は知らない。
知るのはずっと先のお話。






< 38 / 43 >

この作品をシェア

pagetop