stand up!!
「小早川…」
名を呼ばれて、1つ息を短く吐いた。
「すまん、池田。見苦しいとこ見せた」
池田は首を横に振った。
「そんなことはないよ。僕はいつも楽しんでいるからね」
お前なーと、小早川がため息をつく。
池田はまた笑った。
「これはさておき、安城さんどう?」
池田はさっきの笑い顔とは一変し、真面目な顔つきになった。
仕事用の顔つきと言った方がいいだろうか。
小早川も低く、重みのある声調で答える。
「あいつは一言で言うと、化け物だな。女にもかかわらず、完走してしまった」
99人もいる男の中で、男がギブアップしている中でだ。
何がアイツを突き動かしているのか分からないが、もしかしたら…
「未来のトッケイの大きなカギとなるかもしれないな…」
池田は少し驚いたような顔をしていたが、「そうかもね」と短い返事をした。
小早川は少し眉を寄せた。
「俺たちも行こうか」
「そうだね」